退かずの家に笑む
第18回 ダイワハウスコンペティション 佳作
制作者:北野湧也
共同制作者:金子豪太
用途:住宅
道路拡張に伴う立ち退きを拒否した一軒の家。その家を避けるように湾曲した道路、道路で隔たれた両岸に残る殺風景な三角地帯。一軒の空き家が生んだその不条理を人々は嘲笑する。その狭小な三角地帯に鉄塔、小屋を施し、X状の橋を架け繋ぐ。次第にそこは子供たちや動植物の居場所へと還元され、誰もがその橋を渡り始める。看板建築である空き家は一部が外部化されることで子供たちのたまり場、町の新たな看板へと生まれ変わる。時を経て頭上に草木が茂り、緑のルーフが架かると大きな一つの家のような風景が生まれる。もうこの家は嘲笑される家ではない。みなが集い、笑い合う家だ。