だからタイは面白い〜暮らして分ったタイ人の「素の顔」
だからタイは面白い〜暮らして分ったタイ人の「素の顔」
執筆者:市原元気(M1)
今回自分がこの本を読んだきっかけとしては、CMUとKITの短期WSに参加する事になったからである。修学旅行でのベトナムに次ぐ2回目の東南アジアへの渡航であった。
ワークショップでの目的として、
①1週間に渡るCMU生徒との共同設計を通してタイの文化、建築様式を学ぶ事
②日本とは全く異なる情勢のタイの様々な場を訪れ知見を得る事
を掲げて参加をした。
今回のWSの前にこの本を選んで読んだ理由の1つとしては、自分の中でタイへのイメージが仏教国で穏やかな国という印象が強かったのに対し、この本では厳しい視点での文章が見られた点である。
物価が安く様々な国からの観光客も多く訪れ、発展を続けているタイ。上座部仏教徒が国民の94%を占めるといわれ、東日本大震災の際には、バンコクのスラム街の人々が多額の寄付金を送ったとされている。しかしこの本の中では、タイ人の二面性について語られていた。
タイでは、詐欺が多く存在したり、タイ国民と他国の人間のサービスを大きく分けることが当たり前と言う内容である。
実際に自分も、いわゆるぼったくりと言うものが多く存在する事を多く目撃し体験した。数100円多く払うことは、旅行者にとっては笑い話にもなるが、長期滞在になると不信感が募るものとも捉えることができた。
様々な仏教寺院やマーケットを見学したが、その建築や人々の活動にはとても興味深いものがあった。一方で、一種の観光地化してしまっており同じものばかりが売られている現状には日本との共通性を感じたが、割引をしてくれる点ではタイの方が優良なのかも知れない。
タイに住む人々に幾度騙されかけ、人間性を少しだけ理解しながら参加したWS当日。とても快く迎えてもらい、少し無理をしながらでも何かを作る姿はどこの国でも変わらないのだと感じ少し有り難いものであった。
事前に今回の本で言及されていたタイの二面性を改めて確認しながらも、建築が国を超えた繋がりを作ってくれたことに感動を覚えるWSとなった。