『幾何学パターンづくりのすべて』
『幾何学パターンづくりのすべて』ポールジャクソン 著 / 牧尾晴喜 訳
執筆者:大橋 海斗(M2)
『幾何学パターンづくりのすべて』: ポールジャクソン 著 / 牧尾晴喜 訳
普段何気なく線を引く所作に規則性があるのではないか?
パターンの考え方はヴィジュアルデザインに留まらず、建築においても構造の架構、目地の取り方など多岐に渡る。特に図面に起こした際にそのパターンは顕著であり視覚的に分かりやすい。
設計の解き方は人ぞれぞれあると思うが、その解き方にはその人なりの意識外の制約があり、それが「癖」となって現れる。いつもの配置の方法、寸法の取り方、連続の使い方など…
その「癖」について言語化する際にこの本が役立つのではないかと思う。「癖」を解き明かすことで自分の作品の言語表現において語彙を増やすことができるのではないか。
本書ではパターンの作り方について細かく、かつ視覚的に分かりやすく解き明かしている。4つの基本的パターン手法から複合したもの崩したものまであり、パターンを知り、崩す方法まで記載されている。
「守・破・離」の考え方のように自分なりのルールを知って守って、破り、離れる。これを自分の設計と照らし合わせて行うことで、自分の設計の「癖」を言語化することでその「癖」を崩すことで新たな設計の表現方法を獲得できるのではないか。
と仰々しく書いたものの、自分はこの本をペラペラと流し読みして時々登場する丸1ページをパターンの例としているページを眺めるのが好きだ。
書店で見かけた際にはぜひ手に取って読んで見てほしい。