建築を創造する行為は文化をつくることだと考えています。人間が本能的に身を守るために洞窟を住処にしてから、人間がつくりだす構築物が日々の暮らしを豊かにし、空間に人々が集い、棲み、都市がつくられる。そうやって建築を通して人間が歴史をつくっていくことが文化なのです。地球環境の中に建築を計画することは、地表との物理的な関係性をどのように構築していくか、言わば重力を相手にする壮大な挑戦でもあります。たとえば、ル・コルビュジエが唱えた『ピロティ』は、自然物と人工物の間に新しい境界空間をつくり出す建築形式でした。私たちの研究室では、私と公、内部と外部、土木と建築といった、異なる2つの領域を横断しながら、多様な活動を育む新しい境界空間としての建築のあり方を探求していきたいと考えています。

京都工芸繊維大学 武井研究室

出版物
ピロティ辞典(鹿島出版会, 2022)
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