Diploma (Master) 2024-とこなめ煙突ライブラリー

あなたは、全国に公共図書館のない市が9つもあることをご存じでしょうか。そのうちの一つが2021年に市立図書館が閉館し、まちから図書館が失われた、愛知県常滑市です。
常滑は個性的なやきもののまちであり、焼き物を積んだ路地や焼き物工場のレンガ煙突が独自の景観を作り出しています。しかし、時代とともに使われなくなった煙突は、貴重な地域資源であるものの、保全のための仕組みがなく、急速に姿を消しています。さらに、生活区域と観光資源が混在した常滑のまちでは、観光と住民生活の共存の課題があります。そこで、地域性や土地の魅力を活かしながら、地域課題を解決するために、「煙突をめぐるまちじゅう図書館」を提案します。
対象とする煙突は、高さや太さ、窯の有無もさまざま。煙突の特徴を踏まえ、それぞれに異なる個性を引き出すために、設計手法を工夫し、11本の煙突について提案を行いました。この提案によって、各煙突があらゆる人々の交流を生み出し、常滑の地域資源が後世まで受け継がれていくことを願っています。