御靈神社(上御霊神社)

2023年度 第1回
2023. 6. 14

記念すべき第一回外ゼミは鞍馬口から徒歩5分、応仁の乱の勃発地としても有名な上御霊神社(正式には御靈神社)の絵馬堂下で行いました。絵馬堂とは寺社に奉納された絵馬をはじめとする、額物を納めるための建物です。その下部を吹き放ちという特性によって単に絵馬の保管場所としてではなく、庶民に開かれた画廊のようなはたらきをしていました。また、開放的な形式と境内の参拝軸に依らない自由な配置によって様々な使われ方を誘発しています。境内の特異なパブリックスペースの下で、心地よく議論を交わしました。

武井先生コメント
実は一人で京都の街歩きをしてふと入った神社がここでした。この建物が「絵馬堂」とは知らず、ピロティっぽい空間だなぁと妙に親近感を持ったことを覚えています。この絵馬堂はプロポーションが圧倒的にすばらしい。ピロティ空間と絵馬堂的空間の共通点は「半外部」であることですが、決定的に異なるのは、頭上に内部空間があるか、ないかです。絵馬堂の頭上は屋根裏のボイドです。絵馬堂は「縁側」以上「ピロティ」未満とでもいうべきでしょうか、非常に不思議な公共性の高い建築だと思います。