京都駅

2023年度 第6回
2023. 7. 19

上半期最後の外ゼミは、京都現代建築の象徴的存在でもある京都駅で行いました。1990年に開催された国際コンペにより原広司案が選定され、中央コンコースを核として左右に段丘状に延びていく大胆な構成が、忙しく人が行き交う駅前空間に奥行きをもたらしています。2回ほど場所を変え、大空間の中に潜む居場所の多様さを実感することとなりました。後日この京都駅ならびに京都タワーをのぞむ都ホテル屋上のビアガーデンにて納涼会を開催しました。暗闇の中に浮かび上がる京都タワーに見守られながら、楽しいひと時を過ごしました。

武井先生コメント
京都駅は京都という立地を差し引いても、現代建築の駅舎で最も素晴らしい建築だと思います。特にコンコースの吹き抜けの圧倒的な高さの天井は、駅のさまざまな居場所を包み込み、国内外の観光客を出迎え、また送り出すのに相応しいゲート的滞留空間をつくりだしています。大階段でゼミを行っていましたが、雨が降り出して軒のある巨大なテラスへ移動しました。このような余白の空間があるのは、公共的な建築だからこそできる贅沢な設計であり、その証として外ゼミを行ってきました。来年も引き続き、開かれた建築の居場所を探すことができたらと思いました。